2009年 04月 11日
【散歩日和】千葉・市川真間 〜 弘法寺(ぐほうじ)の伏姫桜 其の三
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結城合戦を落ち延びた里見義実は
流れ着いた安房で領主となりました
里見領は混乱に乗じた隣国に攻め込まれてしまいました
「敵方の大将の首を取ってきたら娘の伏姫を与えようぞ」
「相手が犬であろうと、君主たるものが約束を違えてはなりませぬ」
読経の日々を過ごす伏姫と、その声に包まれる八房
やがて八房の氣は交わりなくして、八子の種子となり伏姫に宿りました
姫の奪回のために山に入った義実の部下の銃弾により八房とともに倒れます
その血は白く立ち上り、伏姫が幼少より下げていた八つの大玉を飛散させます
「仁・義・礼・智・忠・信・孝・怫」の文字が記されていました
やがて八つの大玉は、八犬士となり里見家に加護を与える…
と物語は続いていきます
戯作「南総里見八犬伝」滝沢馬琴 著 より
樹齢400年を超すといわれる市川真間・弘法寺の伏姫桜。そのあでやかな姿から「南総里見八犬伝」の伏姫にちなんでそう呼ばれるそうです。十数年前に訪れた時は夜だったのですが、地につくほどに垂れた見事な枝は、幼子にそっと差し伸べられる母の手のようでした。
少し離れた場所には八重咲きの枝垂桜が。7〜8枚目の写真、ピンクの可愛い枝垂れ桜。こちらはまだ呼び名がないようですが、伏姫桜に負けずに長生きしてほしいです。
さて、真間をもう少し歩いてみましょう。次回も逸話に残る女性のお話です。
by ftw71
| 2009-04-11 03:45
| 散歩日和
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